【1】一般的なお話
図書館法2条1項 この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な
資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、
レクリエーション等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本
赤十字社又は民法第34条の法人が設置するものをいう。
図書館法29条1項 図書館と同種の施設は、何人もこれを設置することができる。
図書館の一般法においては、(1)一般公衆の利用に供すること,(2)都道府県・
市町村や財団法人・社団法人が設置すること,が図書館の要件となっています
(法2条1項)。これらの要件を満たさないものは図書館法上の図書館では
あるません。
ただし、「図書館同種施設」つまり図書館的な体裁をとっている施設は誰でも
自由に設置することができ(法29条1項)、公立図書館による「図書館」の
名称独占規定もないため「図書館」を名乗ることもできる次第です。
図書館法上の図書館でなければいわゆる著作物の複製特権(著作権法31条)は
認められないといった制約はあるものの、基本的に元々あまり規制のない状況に
あります。(占領軍が関わった戦後立法なので)
箱物が存在するリアル図書館(および同種施設)の設置状況はおおむね
以下のとおりです。
・地方公共団体が設置し、公衆に開かれている施設。
図書館法上の図書館であって、全国にたくさん存在する。
・民法の公益法人が設置し、公衆に開かれている施設。
図書館法上の図書館であるが、数えるほどしか存在していない。
・政府系研究所や外郭機関に附設されていて、利用できるのは施設の関係者のみ。
少なからず存在するが、図書館法上の図書館ではない。(上記要件(1)を
満たさない)
・社内図書室などその他の私人が設けていて、利用者は社員に限る。
これも図書館法上の図書館ではない。(上記要件(1)(2)を満たさない)
・私人が設置するもので、公衆に開かれている施設。
少ない。NPOが運営するものなど近年の実績はある模様。(上記要件(2)を
満たさない)
(ちなみに小中高等学校の附属図書館については学校図書館法という特別法が
あります)
やはり公立図書館の充実に伴って、公開型の私設図書館の存在意義が薄れたと
いう歴史的事情はあるかと思われます。
なにぶん「ウェブログ図書館」はブログ専門の電子図書館ということで前例が
ないためよく分からないのですが、すきまを埋める存在であるとは言えそうです。
ウェブログ図書館:私人(有限会社)が設置するもので、公衆(インター
ネットの利用者)に開かれている施設。
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参考文献
『図書館法と現代の図書館』塩見昇・山口源治郎,日本図書館協会,2001
参照条文
民法34条 祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益に関する社団又は財団にして
営利を目的とせざるものは主務官庁の許可を得て之を法人と為すことを得
著作権法31条柱書 図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを
目的とする図書館その他の施設で政令で定めるものにおいては、次に掲げる
場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の
資料を用いて著作物を複製することができる。
【2】個別の論点
電子図書館であるウェブログ図書館では、著作物の複製特権が認められ
なくても不都合はないと思われます。もともとブログというのは
インターネット上に公開されている著作物なので、見たければ固定リンクで
示される当該ブログ記事まで行ってくださいというだけのことです。
また、“図書館が無料貸本屋として機能するから新刊書が売れなく
なっている”といった批判が一部にありますが、ウェブログ図書館のせいで
ブログ記事へのアクセスが減ったという話は聞きません。
ウェブログ図書館では「貸し出し」という業務は存在せず、生まれながらにして
いわゆるレファレンス機能が問われる場になっています。
そのような視点や問題意識をお持ちの方にスタッフとして参加いただけるならば、
単なるリンク集とは違った面白さが生まれてくると思います。
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